クリニックブログ

クリニックブログ「糖尿病治療と冬。」

糖尿病治療と冬。

2019年12月08日 糖尿病について

寒い日が続いております。風邪などおめしにならないよう体調管理を万全に行っていきましょう。

さて、今回は受診いただく方が増えているのになかなか更新できていなかった糖尿病についてです。

題をご覧になって、どういう事?と思われた方も多いかと思います。寒い冬は冒頭に書いた通り、インフルエンザや胃腸炎を代表とする感染症に注意が必要なことは誰しもが思うこと。でも、なぜ糖尿病と冬???

糖尿病の治療の基本は食事・運動療法であることは以前にも書いた通りです。しかしながら・・・

寒くなると春や秋など季節が良いときにはちょっと散歩でも、と気軽にできていた運動が、家はおろか、ふとんからでさえ出るのが辛い!!→どうしても運動をする機会、頻度が少なくなりがちです。

さらに、冬はクリスマス、お正月、忘年会に新年会、職場や家族、親戚のみんなと、「今日は思う存分食べよう!」という機会が増えます。→普段は気を付けることができている食事療法もついついおろそかになりがちです。お鍋や味噌汁もおいしいからとついつい塩分が増えて、気温が低いことも重なり気がつけば血圧も高くなり、困った!

糖尿病・内分泌の外来を始めて以来、感覚としてそのような傾向は感じていましたが、冬に糖尿病・高血圧が悪化する傾向にあるというデータが、実際に有名なアメリカの英語の雑誌にも発表されています。

ではどうすれば良いか?

それは「意識すること」だと思います。

これは冬に限らないことですが、「食べ過ぎには注意が必要だ」、「無理のない範囲で体を動かそう」というような、「わかっちゃいるけど◯◯ない」という事を少しでも意識することで、無意識が招く暴飲暴食、運動不足を少しでも防ぐことにつながると思うのです。

私が外来で心がけるのは、患者さんのお話をとにかく丁寧にお伺いし、お一人お一人が「できる範囲で」、「無理なく続けられるよう」食事や運動のアドバイスを行い、その上で、お薬に関しても採血や血圧の数字はもちろん、季節変動も含めた患者さんの背景まで考慮し、きめ細かく調整を行うことです。

ホームページ本文にも書いた通り、患者さんお一人お一人の治療に臨む背景、状況はみなさん違います。であるからこそ、丁寧にお話を伺い、「必要なことを無理なく続けられるよう」、「たとえ正論であっても一方的に押し付けることは決してせず」納得していただいたうえで治療を患者さんと手を取り合って共に続けていきたいと思っています。

糖尿病でお困りの方の少しでも力になれたらと思いますので、みなさまお気軽にご相談ください。

ページトップへ戻る