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クリニックブログ「加熱式タバコとCOPD(慢性閉塞性肺疾患)」

加熱式タバコとCOPD(慢性閉塞性肺疾患)

2024年07月02日 副院長より クリニックについて 院長より

当院のブログをご覧頂きありがとうございます。

今日は生活習慣病に関わるタバコについて書いてみます。

最近では外来をしていて、「タバコは吸いますか?」という質問について、加熱式タバコを吸いますという方が普通のタバコに比べて増えているように思います。 加熱式タバコについて私もわからない事があり日本内科学会雑誌6月号にトピックスとしてありましたので覚えとして記載したいと思います。 タバコの煙などの有害物質に長期に暴露されることで肺気腫を生じる。

加熱式タバコが急速に普及しているが、長期使用の安全性は現時点で検証できない。

マウスのレベルでは燃焼式タバコと同様に肺気腫を生じた。

他国(スイス)の臨床試験結果では禁煙のカウンセリングには電子タバコが有用であったという論文報告も最近でてきた。

ハームリダクション(使用を中止することが精神作用のため不可能な場合にその影響を減らすために、少しでも使用を減らすこと)という見解もあるが、欧州呼吸器学会はこれに否定的で、禁煙が進めらない、逆に常態化させるのではないかと警鐘を鳴らしている。

つまり、燃焼式タバコも加熱式タバコも肺への影響はおそらくほぼ変わらず(少しはましかもしれないけれど)禁煙に勝るものはない。ということだなと理解しました。

現在、禁煙外来で使用するチャンピックスの入手が困難なこともあり外来で今すぐ実践するのはなかなか難しい現状ですが、当院に多数お越し頂いている糖尿病、高血圧、脂質異常症といった患者様にも深く関わる事ですので、これからも外来をするにあたり、定期的に知識のアップデートに努めてまいります。

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