なかなか秋らしい気温とはいかず、日中は半袖でも過ごせそうな今日この頃。久しぶりにブログを更新いたします。
今日は 「何週間も下痢が続いているけれど、検査では異常なし」「過敏性腸症候群と診断されたけれど、薬が効かない」 そんな方に、ぜひ知っていただきたい病気があります。 それが「腸管スピロヘータ症(Human Intestinal Spirochetosis:HIS)」です。
腸管スピロヘータ症とは? 腸管スピロヘータ症は、Brachyspira属のらせん状の細菌が大腸粘膜に付着して起こる感染症です。 感染経路は糞口感染が主で、ペットや家庭内での接触が原因となることもあります。
症状は慢性的な下痢、時に血便や腹痛を伴うこともありますが、無症状の方も少なくありません。
そのため、見逃されやすく、過敏性腸症候群(IBS)と診断されてしまうケースもあります。
そこで大腸内視鏡と生検が必要となります。
腸管スピロヘータ症は、内視鏡検査だけでは特徴的な所見が乏しいことが多く、粘膜はほぼ正常に見えることもあります。
しかし、粘膜組織を採取して顕微鏡で観察すると、表面にびっしりとスピロヘータが付着している様子が確認されます。
診断には、HE染色やPAS染色、抗Treponema pallidum抗体による免疫染色が有効です。
治療について 治療にはメトロニダゾールという抗菌薬が用いられ、10日間の服用で症状が改善する例が多く報告されています。 ただし、服薬中は飲酒を控える必要があり、他の薬との相互作用にも注意が必要です。
まとめ
慢性下痢が続く場合、腸管スピロヘータ症の可能性を考慮し、大腸内視鏡検査と生検を受けることが重要です。 「異常なし」と言われても、粘膜の奥に潜む原因があるかもしれません。
当院でも最初の検査でははっきりわからず、再度検査を行ってやっと診断に至るということもあります。
なかなか治らない慢性下痢があれば、どうぞご受診をお考えください。