たまには、医学的なお話を書いてみたいと思います。
先日、総合内科専門医のセルフトレーニング問題集というのを解いておりました。
これは、内科専門医として理解しておくべき問題が各分野から出されていて、私の専門である消化器の内容も含まれています。
その中に、胃ポリープの写真がそれが癌であったという情報から関連するものを問う問題がありました。
胃ポリープというと、健診の胃バリウム検査異常でよく内視鏡検査のきっかけになる病変です。
胃ポリープには良性のものもが多いのですが、やはり中には悪性のものもあります。胃ガン(悪性)のリスクとして、ピロリ菌というものが強く影響するのはよく知られていますが、先程の問題はそれを問うものではなく、実はあまり知られていない、胃ガンに影響するウイルスを問う問題でした。
EBウイルス関連胃ガンと呼ばれていて、ピロリ菌がいないのに胃ガンになってしまう原因の一つとされます。一般的な良性のポリープとは見た目は違うのですがわかりにくいこともあります。そして、それは内視鏡検査をしてみないとわかりません。私も外来でピロリ菌のいる方や除去後の方には、強めに内視鏡検査を毎年受けることを勧めていますが、ピロリ菌陰性でもやはり胃の健康のためには定期的な胃カメラ検査が大切だなと再認識しました。
健診でポリープを指摘された方や今まで胃カメラ検査を受けたことがない方は一度検査を受けることをお勧めします。
このブログがみなさんの健康に少しでもお役に立てれば幸いです。