クリニックブログ

2019年6月 一覧

2019年6月 一覧

開院して2週間が過ぎ、間もなく3週間になろうとしています。

 

前回書いた糖尿病についてもう少し続きを書いてみようと思います。

 

糖尿病の採血では空腹時血糖値(126以上で糖尿病と診断)、随時血糖値(食事に関係のない血糖値で200以上で糖尿病と診断)、食後2時間血糖値(『いただきます』と言った後から2時間後の血糖値でやはり200以上で糖尿病と診断)、そして血糖値の1-2か月の平均であるHbA1cを組み合わせて治療をすすめていきます。

 

そして合併症を防ぐためにはHbA1c<7%を基本の目標に、正常化を目指せる方には<6%を目標に、御年齢や背景、使用している薬等を複合的に判断し、状況に応じて7.5%~8.5%まで許容する、という方針が数年前に出てきています。

 

と、ここまでは、比較的一般的に行われる糖尿病の治療方針なのですが、私、および当クリニックで重視したいのが先ほども少し書いた『合併症を防ぐ』ということです。

具体的には初めて糖尿病と診断された方、あるいは今までやったことがないという方には一度は腹部エコーで膵臓や肝臓を中心としたお腹の臓器を確認し、万が一にも悪性腫瘍がないか等を確認します。そして所見があった方には定期的に検査を行い、経過を追っていきます。数年前の日本糖尿病学会の委員会報告で糖尿病をお持ちの方の場合、そうでない方に比べて、肝臓、膵臓、大腸の癌になるリスクが高いことが明らかにされたことからも、重要性は非常に高いと考えています。

また、頸動脈エコーを行い、知らず知らずのうちに首の太い血管が狭くなっていて、ある日突然脳梗塞を発症していた、ということがないようやはり一度は確認をし、必要に応じて定期的に観察を続けていきます。そして狭窄率(狭くなっている割合)に応じて抗血小板剤(いわゆる血をサラサラにするお薬)を出したり、さらに重症の場合には必要に応じて連携病院にご紹介し、さらなる精密検査をお勧めすることもあります。これは、糖尿病の方の場合、高血圧症、脂質異常症を併発しておられる方が多く、脳梗塞を発症するリスクが非常に高いため、早期発見早期予防のため、適切な検査及び治療が欠かせないと考えられるからです。

このほかにも心電図、レントゲンを用いて心臓の評価を行い、お住まいの近くの眼科で眼のチェックを行っていただくことをお勧めし、定期的に尿検査を行い腎臓の評価をし、自覚症状や必要に応じて音さや振動覚の検査を用いて神経の評価を行い、と、単に血糖値、HbA1cに代表される『数字のみを見ていくのではなく』それ以外の検査を適切に行うことではじめて見えてくる『全身の合併症の評価』を可能な限り丁寧かつ慎重に行うことで、糖尿病をお持ちの方の健康を永く守っていけるよう努めていきたいと考えています。

 

なお、これらの検査は、もちろん必要なものですが、あくまでお一人お一人に丁寧にお話を伺い、重要度の高いものから徐々に行っていく、という方針で進めていきます。ホームページ本文にも書きましたが、たとえ『正論』であっても、それを一方的に押しつける事は絶対にしませんので、安心して気軽に相談頂き、納得いくまでお話を聞いていただけたらと思います。

 

まだまだ書ききれない事はあるのですが、長くなってきましたので続きはまた次の機会に書いていこうと思います。

続けて甲状腺疾患のことを書いてきたので、今回は糖尿病について書いてみようと思います。

 

そもそも甘いものが好きで、同じだけ食べていても、糖尿病を発症される方もいれば、発症されない方もいます。その差は、一言でおおざっぱに言ってしまえばいわゆる「もって生まれた体質」が大きく影響していることが多いとされます。(もちろん例外もありますが・・・)

 

であるからこそ私は、「あなたは糖尿病です。だから食事療法を行いなさい、運動療法を行いなさい、薬を飲みなさい(あるいはインスリン注射をしなさい)!で、間食はダメ、お酒もダメ、・・・・」

というような矢継ぎ早の指導、治療はもし自分が反対の立場なら受け入れ難いなあと思ってしまいます。もって生まれた体質だから仕方ない、それが病気というものなんだ、と言われればそこまでなのですが、同じようなことをしていてもならない人もいるのになあ、とどこか納得できない気持ちが残るのではないかと思います。

 

さらにそのような状況で、自覚症状もはっきりしないことも多々あり、それなのに、全身に起こりうる合併症を防ぐべく、一生涯糖尿病に向き合い、治療を続けなければいけない、となると、自分がその立場なら「あなたは糖尿病です。だから食事療法を行いなさい、運動療法を行いなさい、薬を飲みなさい(あるいはインスリン注射をしなさい)!で、間食はダメ、お酒もダメ、・・・・」

はやはりつらいと思うのです。

 

ここで誤解のないように述べたいのですが、私は「」の内容を否定したい、間違っていると言いたいわけでは決してありません。食事療法、運動療法は車の両輪のごとく必須のものですし、それでコントロールが足りないならば薬を飲んだりインスリンを注射することも必要になるケースは多くあります。間食も可能な限り控えるべきでしょうし、きっと0が理想、お酒だって糖尿病治療の観点から良いとは言えないことはもっともです。

 

重要なのは、その伝え方、進め方なのだろうと思います。糖尿病患者さん、と一言で言っても、1型、2型というタイプも違えば、その時の病気の状態=病態、年齢、性別、育った地域で慣れ親しんだ食事の内容、仕事の内容(たとえば夜勤のある仕事で規則正しい生活が難しい、という場合)、他に治療している薬の内容、ご家族の構成、など、背景はさまざま、異なります。

 

であるからこそ、(もちろん急がないと命にかかわる場合など例外はあるのでその場合は速やかに対処するのは当然の前提として)最終的には完成度の高い、質の良い治療を目指す目標はみなさん同じであっても、その道のりは人それぞれ、いろいろな進め方があってよいと思うのです。

 

以上のような考えのもと、私は糖尿病と診断された患者さんお一人お一人のもつ様々な背景や要素を可能な限り広く考慮し、「できることから」「一歩一歩」「徐々にできることを広げていくような」治療を私はもちろんスタッフ一同と患者さんみんなで力を合わせて行っていきたい、と考えています。ふとした気になることから専門的な内容まで、お気軽にご相談ください。

 

まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが、長くなってきましたので次回以降にまた書いていこうと思います。

前回の続きです。

 

妊娠を希望される方、妊娠中の方と甲状腺疾患についてです。

 

このことを私が初めて知り、興味深いと思ったきっかけは、まだ豊田厚生病院で勤務を始めたばかりで、内分泌代謝内科に入りたての頃に初めて参加した日本甲状腺学会の学術集会での講演でした。

 

そこでは、そもそも甲状腺疾患が妊娠可能年齢の女性に多いこと、妊娠の成立や維持、さらには胎児の発育に甲状腺ホルモンが重要な役割を持つことなどが発表され、当時学びはじめだった自分では完全には理解できなかったものの、その重要性や意義深さに衝撃を受けたことを今でもはっきりと覚えています。

 

その後大学関連病院や、甲状腺疾患治療専門病院で数多くの妊娠に関連する患者様を診察させていただいくなかで、甲状腺ホルモン治療を適正に行うことで今まで長く不妊症に悩んでいた方が無事妊娠され出産されたケース、今まで妊娠には至るが流産を繰り返されてきた方がやはり甲状腺ホルモン治療を適正に行うことで無事出産されたケースなどを何例も経験しました。

 

具体的には、甲状腺機能低下症では通常の生活を問題なく送るには問題のないTSH(脳から甲状腺を刺激するホルモン)の値(いわゆる基準値内、正常値内)であっても、妊娠を希望される方、妊娠中の方ではより厳格に管理を行い、一言でいえば「妊娠のためにより適した甲状腺の環境」を作り、無事出産を迎えようという治療を行います。特殊な検査は必要なく、採血でTSH(必要に応じてFT4,3値もみながら)を継続的に測定し、必要に応じて甲状腺ホルモン剤を1日1回飲んでいただくという治療です。したがって大きな費用の負担や副作用の心配もなく、妊娠中の方にも安心して行っていただけます。

 

バセドウ病に関しては、妊娠を希望される方、妊娠中の方には治療を始める段階でのお薬の選択から注意が必要です。それは、最もバセドウ病で使用される内服薬の副作用に、非常に稀な頻度ではありますが妊娠初期に内服していた場合胎児に奇形が出現することがる、というものがあるからです。したがって妊娠初期に飲んでいても安全なお薬を選択します。そのうえで、甲状腺機能低下症の方と同じように、「妊娠のためにより良い甲状腺の環境」を作れるようにより細やかに厳密に内服量をコントロールしていきます。

 

無痛性甲状腺炎は本来自然に改善し、投薬は不要なものですが、妊娠を希望される方に発症した場合、途中で機能が低下した時期にTSHが上昇するタイミングを見逃さず、速やかに甲状腺ホルモン治療を行います。また無痛性甲状腺炎が最も起こりやすい時期が出産後です。この時期は授乳中であることが多く、バセドウ病と誤診し、無用な投薬を行うことがないよう、より慎重で正確な診断と治療が求められます。

 

甲状腺ホルモンは人それぞれ、日々刻々変化します。妊娠を希望される方、妊娠中の方が無事出産を迎えられるよう、その一助になれたらという思いで診療にあたっています。その思いのもと、可能な限りわかりやすく、納得いくまで丁寧にご説明いたしますので、お気軽にご相談いただけたらと思います。

 

この分野は非常に奥が深く、まだまだ書ききれない内容も多々ありますが、文章がまた長くなってきたので今回はここまでとします。

6/5(水)に開院以来、約1週間が経ちました。

まだまだ私も含め慣れない部分もあり、ご不便をおかけすることもあるかもしれませんが、少しでもより快適に、スムーズに受診いただけるよう、スタッフ全員で協力し、日々努力を重ねてまいります。

さて、今回は開院1週間で受診された患者様の中でも多かった疾患の1つである甲状腺疾患について書いてみようと思います。

甲状腺疾患は、主にホルモンが不足する甲状腺機能低下症(主な原因に橋本病)、ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症(主な原因にバセドウ病や無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎など)、甲状腺腫瘍、などに分けられます。

症状は実に様々で、「自覚症状なし、たまたま健診で甲状腺が腫れているかもと言われた」という方から、主に低下症の方では嗄声(=声がかれる)、疲労感(=だるい)、意欲の低下、徐脈、便秘、むくみ、ご高齢の方を中心に物忘れ、(身に覚えのない)体重の増加、一方亢進症の方では疲労感、イライラ、頻脈(=ドキドキ)、下痢、むくみ、(身に覚えのない急激な)体重減少など、全身にどのような症状があってもおかしくありません。

私が過去に勤務していた病院でも、意欲の低下である病院を受診したところ原因不明とされ、その後もいろいろ受診したが原因がわからず、あげく他の病気と診断され薬を飲んだが全く効かず、ようやく採血をしたら甲状腺ホルモンに異常が見つかり、治療をしたら症状がよくなった、という方を少なからず診察した経験があります。

また、甲状腺疾患は主に女性に多いとされますが男性にも決して稀ではなく、「病気」というと一般には年齢を重ねた方に多い、というイメージですが甲状腺疾患は若い方にも多いことも特徴と言えます。特に女性では妊娠、出産とも関わることも多くあり、より慎重で正確な診断、治療が必要です。

甲状腺疾患は疑って、検査をしてみないと正確な診断にはたどり着きません。その診断はたいていの当院にある採血、及び必要に応じたエコー検査で診断が可能です。

健診で甲状腺を指摘された方、この症状はもしかしたら甲状腺!?と気になっている方、甲状腺疾患をどこで治療したらいいかお悩みの方、などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

※妊娠希望の方、不妊治療中の方、妊娠中の方と甲状腺疾患に関しても書こうと思ったのですが、文章が長くなり過ぎるので別の機会に書くことにします。

昨日と今日の二日間、内覧会を開催しました。

クリニックのあるみよし市はもちろん、豊田市、東郷町、刈谷市、豊明市、日進市、知立市、名古屋市緑区などから記帳頂いた方だけで約五百数十名、お子さまも合わせると約六百数十名と非常に多くの皆さまに御来場いただきました。スタッフ一同を代表し、厚く御礼申し上げます。

今後6/5(水)の開院に向けて、皆さまから頂いた質問を参考にしながら、スムーズに受診していただくことができるように引き続き準備してまいります。

また、皆さまから頂いたご質問に対して、バタバタしていたり、時間の関係で十分お答えしきれなかったケースもあったかと思いますので、実際の診療でゆっくりと丁寧にお話することはもちろん、このブログも有効活用しながら、様々な情報を発信していこうと思います。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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